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ハワイ島のハイキング/デッドエンド(溶岩とオーシャンエントリーの見学)

※2010年7月時点では、海に流れ込む溶岩は見えておりません。2008年以降は下記の場所(ハワイ火山国立公園内)ではなくカラパナ側で見られる確率が高いです。
→2008年3月25日/カラパナ溶岩見学レポートへ

■難易度 ★ ☆ ☆ ☆ ☆
■往復 2.4km (2005年8月時点)
※レンジャーステーションから水蒸気の展望エリアまでの往復
■所要時間 往復1時間
■幼児連れウォーキング ×〜○ 下記参照
■出発地点
ハワイ火山国立公園内。チェーン・オブ・クレーターズ・ロードの終点です。キラウエア火口の周囲を走るクレーター・リム・ドライブとの交差点から約32km、ノンストップで約35分。終点のロータリーで転回し、山側に路肩駐車します。


赤く燃えるオーシャンエントリーは圧巻!

2006年12月の時点の地図/溶岩の状況により変わっていく可能性があります

ハワイ島ならではの魅力、溶岩を見に行こう

活発な火山活動を続けているハワイ島では丘の上から流れる溶岩や、海に流れ落ちる溶岩(オーシャンエントリー)を歩いて見に行ける場所があるんです。しかも時によってはすぐ近くでドロドロ溶岩を見られることも! それがデッドエンドです。デッドエンドとはハワイ火山国立公園内を走るチェーン・オブ・クレーターズ・ロードの終点のこと。そんな非日常的な世界を、是非覗きに行ってみましょう!

我が家のお気に入りの時間帯は夕刻です。沈んでいく夕陽を見送りながら空の色の変化を楽しみ、そして真っ赤な溶岩を見て、満天の星空を眺めるのです。ボルケーノという大舞台で繰り広げられる『夕焼けと溶岩と星空のショー』はそれはそれは壮大で美しく、初めて見た時の感動は今でも忘れることが出来ません。

まずはチェーン・オブ・クレーターズ・ロードを下ろう

海抜1200mのキラウエア・カルデラから海岸線まで下るチェーン・オブ・クレーターズ・ロードは、片道32kmもあり直行すると45分ぐらい。整備された舗装道路なので快適なドライブを楽しめます。


街灯がないため夜は真っ暗になりますが、センターラインに反射板が付いているので走りやすいと思います。ネネ(ハワイガン)の横断には注意してくださいね。この鳥は保護鳥で、えさをやったりすることも禁じられています。


ボルケーノの日没時間を調べよう

Click for Hilo, Hawaii Forecast左は現在のヒロの日の出と日の入り、月齢を表示しています。夕方のデッドエンドへ行く方は日没時間をチェックしてみてはいかがでしょう。だいたいの時間をつかんでおくと予定を立てやすいかも。


車を駐車しよう

チェーン・オブ・クレーターズ・ロードを海岸線の直線まで下りてきたら、そのままロータリーまで進み、車の向きを変えてきましょう。そして山側の路肩に一列に駐車します。


ここ数年通った感想としては、晴天の夕方は大混雑です。もちろん様々な条件があると思うので一概には言えませんが。日没直前に着いた時には駐車スペースを探すだけで一苦労。来た道をどんどん引き返してやっと見つかった場所は、ロータリーからとんでもなく離れた場所でした。長く歩きたくない方は時間にゆとりを持って到着したほうが良いかもしれません。ロータリーで下ろしてもらい、運転手だけ駐車しに行くという方法をとっている方も時々見かけます。
なお、障害者用のパーキングもロータリーに隣接して数台あります。


ハイキングに出かける前の準備

夕方から車を離れる際は、駐車した車が分からなくならないように周りの状況や車の特徴など(ナンバーなどはキーに書いてあると思いますが)確認してから出発してくださいね。真っ暗な中、懐中電灯だけを頼りにズラリと並んだ車の列から自分の車を見つけるのは大変なことです。


夕方のウォーキングの場合は懐中電灯が必要、写真を撮る方は三脚もお忘れなく。レンジャーステーションに今日の溶岩の様子や歩くルートについての詳細が掲載されますので見てみましょう。左の写真は2005年8月3日のもの。日没は午後7:15、水蒸気を見に行くコースは往復1.5マイル、1時間と書かれていました。
道を挟んだ向かいあたりから、自然の造形物「ホーレイ・シー・アーチ」を眺められます。デッドエンドは強風が吹くことが多いので夕方は肌寒くなります。この日はジーンズ+半袖で行ったら寒くて上着を羽織りました。

デッドエンドの日没時間と天候、溶岩の状態

ここ数回のデッドエンドの気象や状態などをまとめてみました。
 訪れた日と時間 日没 天候・風 オーシャンエントリー 丘に流れる溶岩 子供の服装
(中に半袖も着ています)
 2005/02/03 夜  雨・暴風 薄手の上着、長いズボン
 2005/02/10 夕方 18:45  晴・強風 厚手の上着、長いズボン
 2005/08/03 夕方 19:15  晴・強風 長袖シャツ、長いズボン
 2006/03/24 夕方 18:55  晴・微風 × 半袖+長いズボン
 2006/12/28 夕方 18:00  晴・暴風 長袖シャツ、長いズボン
 2007年7月、12月 × ×
※2007年7月、12月はオーシャンエントリーがないためデッドエンドに行っていません

ハイキングに出発

ロータリーよりも先は車両の進入は禁止されているので舗装道路の真ん中を堂々と歩けます。やがて道路が溶岩によって寸断されている場所に出ました。ここが本当のデッドエンド(行き止まり)ですね。『水蒸気を見るのはこちら』という茶色の標識に従い、この先は溶岩の上を進みます。足元に黄色のプレートが貼られているのでこれを目印に歩きます。ほんの10分ぐらいでビューポイントに到着しました。
この「行き止まり」までは車椅子の方でも問題なく来ることが出来ます

オーシャンエントリーからは真っ白な水蒸気がモクモクと勢いよく上がっているのが見えました。この時間に来ると昼間の景色からの変化が楽しめるのでお得な気分です。ビューポイントへは日没より1時間も早く着いてしまいました。果てしない溶岩原を見たり、激しい水蒸気を見たりしてすごく楽しいのですが、だんだん暇になってきてしまいました(笑) そして、ようやく夕陽が沈みかけた頃から最高のショーが始まります!
 

ドロドロ溶岩を目の前で見られることもある

ドロドロ溶岩を見に本格的なトレッキングに行く方も多いようです。左の写真は妹のクマアロハ魂クマックス管理人)が2002年に撮ってきたもの。この時はなんと、歩いて10〜15分の場所から見れたそうです!
どのくらい歩けばドロドロ溶岩に出会えるかというのは、その時の状況によってかなり変わります。15分歩けば見える日もあれば、片道2時間以上のハイキングが必要という日もあり、今日は見えないという日だってあるのです。

でもこれらは自然が相手なので仕方ありません。見えるかどうかは、ある意味『賭け』であり『運』なんですね。


溶岩流を見に行く場合の注意事項

2003年10月版のパンフレットを見つけました。古いものですが、現在も同じようなことが言えますので参考にしてみてください。
溶岩流を見に行く場合の注意事項
溶岩流の予測をすることは不可能です。デッドエンドに行く前にキラウエア・ビジターセンターのレンジャーに最新の溶岩情報を聞いて下さい。(開館時間は7:45〜17:00 無休)
・溶岩流の近くは気温38℃を超えるので1〜3リットルの水を用意する
・丈夫な衣服を着用し、指が出るような靴は履かない(サンダルはダメ)
・午後6:30以降に行く場合は正常に使えることが確認された懐中電灯を1人1つ持つ
・昼間の気温はたいてい温かく、強風が吹く。帽子・日焼け止め・サングラス・雨具が必要


ボルケーノビレッジ: 食べ物・水・ガソリンなど(open 5:00〜19:00)
ボルケーノハウス: 食べ物・水・懐中電灯(open 7:00〜19:15)
ジャガーミュージアム: 水・懐中電灯(open 8:30〜17:00)
(2003年の情報なので変更があるかもしれません) →ボルケーノ周辺の情報



溶岩流は危険を伴います
溶岩流には目で見てすぐ分かる危険と、そうでない危険があります。レンジャーの指示に従い、マークの付いたトレイル上を歩いてください。コースを外れたり、立入禁止区域(closed area)には入らないで下さい。
■オーシャンエントリーの水蒸気を避ける
オーシャンエントリーから上がる水蒸気には塩酸が含まれていて、目や肌を刺激したり呼吸を圧迫することがあります。特に小さな子供、妊婦、心臓疾患・呼吸器疾患のある方は避けてください。
■溶岩によって新しく形成されたエリアに立ち入らないこと
溶岩が海に流れることによって新しく形成された場所は、地盤が不安定で波によって簡単に削り取られたり、予告なしに崩れて海に落ちたりします。時々、蒸気の大爆発が起こり溶岩の破片が何百メートルも飛び散ります。海水も火傷をするほどに熱くなっています。
■溶岩が植物を覆った場所からは少なくとも150フィート(45m)離れること
溶岩が植物を覆うと地中にメタンガスが蓄積されます。それが溶岩流に引火して爆発を起こし、爆風で破片を四方八方に飛び散らせます。

上記は英文を和訳したものですが解釈の間違いがあるかもしれません。事故等の責任は一切負うことができませんので、ビジターセンターにてご自分で確認されることをお勧めします。
ハワイ火山国立公園のサイト
ハワイ火山観測所による溶岩のアップデート


子供と一緒に歩く

この時には舗装道路+少しだけ溶岩のウォーキングなのでコース的には簡単でした。けれど溶岩の状況により、大幅に変化することが予想されます。また、子供がまだ幼児の場合は連れて行くことに問題があります。上記の注意事項にあるように小さい子供は水蒸気を避けるべきと書かれているからです。

けれどこれは「風向きや空気の状態によって」のことだと私は解釈しておりますが…。レンジャーステーションの案内板には当日の空気のコンディションについても項目があるのでそこでも確認がとれます。風向きが悪いと火山臭を感じることがあります。そんな時は確認するより以前に止めた方が、きっと良いでしょうね。
小さな子供とは何歳ぐらいまでのことを指すのかというのも気になるところです。日本人を対象に溶岩ツアーを行っている会社は5歳以上もしくは6歳以上が参加可能な年齢でした。ということは、この辺りの年齢で線が引かれていると思って良いのかもしれません。
「空気の状態が良ければ大丈夫」「5歳以上は問題ない」というのは私個人の意見であって確認をとったものではありません。歩かれる場合は上記の注意事項をご一読いただき、保護者の方が最終判断して下さい。

ロータリーの前に仮設トイレが用意されていますが、時々長い列が出来るとのことなのでお子さんは来る前に済ませておいたほうがいいかもしれません。車と人が多いだけに人目も気になりますし、駐車した場所からトイレまでの距離が遠い場合は大変です。

2005年8月には、チェーン・オブ・クレーターズ・ロードの途中からオーシャンエントリーが見えました。デッドエンド方向へ下っていくと、右手にケアラコモという屋根付きの展望台があります。そこを過ぎてしばらく進むと急激なカーブがあり、そこの反対車線側に路肩を広くしたような展望スポットがあるんです。左の写真はそこから撮ったものです(上の地図中の「路肩パーキング」です)。夜は真っ赤な水蒸気がよく見えました。火山ガスが心配な方は、一度このパーキングに止まってみてはいかがでしょう。溶岩の状況によっては見えるかもしれません。
なおデッドエンドまで進んで、駐車した場所から丘のほうを見て蒸気が上がっているようなら、暗くなれば車の中からでも赤い溶岩を眺めることが出来るかもしれませんよ♪

■参考
→ハワイ島 キラウエア火山の観光ガイド
→ハワイ島 キラウエア火山の観光計画
旅行記
→2004年4月28日 『やっぱりボルケーノ大好き』 →昼間
→2005年2月 3日 『雨のボルケーノとデッドエンドへの苦悩の道のり』 →夕方
→2005年2月10日 『デッドエンドの夕暮れ』 →夕方
→2005年8月 3日 『2度目のナパウトレイルと夕暮れデッドエンド』 →夕方

◆時間の目安と見える景色◆ ※時間はストップウォッチ形式に表示します (単位は分)
0:00 (時刻は 17:15)
車からレンジャーステーションまでゆっくり10分ほど歩きました。
ここではレンジャーステーションをスタート地点にして紹介していきます。道を挟んだ海側でホーレイ・シー・アーチを見ました。自然のオブジェです。
0:15
日没までまだ2時間もあります。のんびり歩くことにしました。今日は空気のコンディションも良く心配はなさそう。沢山の人がオーシャンエントリーを見に行っています。
0:19
見にくいですが、山肌に白っぽく蒸気が上がっているのが分かりますか? これは溶岩が流れているという証拠。暗くなれば赤く光るはずです♪
0:32
本当のデッドエンドにやってきました。溶岩が道路を覆っています。チェーン・オブ・クレーターズ・ロードは元々はカラパナ側(反対側のデッドエンド)と一本道で繋がっていたのですが、溶岩流によって寸断されてしまいました。
0:39
「Steam Plume Viewing →」の看板に従って右に進みます。この先からはパホエホエ溶岩(滑らかな溶岩)の上を進みます。
0:43
溶岩の上には黄色いプレートが目印として付けられています。これがトレイルの目印。安心して歩けます。
0:46 (時刻は 18:00頃)
ビューポイントに到着しました。黄色のプレートがなくなった辺りです。オーシャンエントリーからは激しく水蒸気が上がっています。すごいです!
適当な場所を陣取って日没を待つことにしました。
0:51
暇に任せて色んな写真を撮りました。ズームで撮るとさらに迫力です。真っ白な水蒸気を眺めながら、ふと気づきました。『夜になったら赤く見えるんじゃないか?』と。その時は『私、冴えてる〜♪』と思いましたが、よく考えてみれば“今頃になって気づいた冴えないヤツ”です。
1:54 (時刻は 19:00すぎ)
7時頃になって空が染まり始めました。いよいよ待ちに待ったショーのスタートです!
薄いオレンジから濃いオレンジへ、そして赤から紫へと変化していきます。デッドエンドは空が広く感じられる場所。夕焼けも最高です。
2:12 (時刻は 19:20頃から)
予想は的中、真っ白だった水蒸気は真っ赤に変わりました! この美しさと言ったら、忘れることができません。いつまで眺めていても飽きないほど感動的でした。ケンシン坊もパパも「すごい!」を連発しています。
2:15
丘の上にも赤く輝く溶岩が見えました。そして空には手に取れそうなほどの星が瞬いています。天の川が見えたこともありますよ。
3:15(車に到着)
大迫力のショーを見終わって、懐中電灯を頼りに車まで戻ったのは20:30でした。
これは2005年8月3日のレポートです。溶岩流は自然のものですので、往復の時間や距離、オーシャンエントリーや丘に流れる溶岩の場所はその都度変わります。このレポートは国立公園内でオーシャンエントリーが見える際の参考としてご覧下さい。
[2004年4月、2005年2月、7月、8月、2006年3月、12月、2009年8月]



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